小説

【震えるほどの衝撃的ラスト!】道尾秀介「向日葵の咲かない夏」【賛否両論の名作の感想】

オリコン発表2009年ベストセラーランキング(文庫部門)で第1位に輝いた道尾秀介さんの「向日葵の咲かない夏」をレビューします。

新潮文庫の帯には以下のように書かれています

読み逃すな!新たな神話が、ここにある。最注目作家が描く、もう一つの夏休み。

この小説、まさに「神話」。そう呼ぶべきほど面白い作品です。

ただし、注意が1つ!

それはこの神話、かなり読者を選びます…賛否両論です!賛否が大きく分かれる作品です。

それを踏まえた上で、自分はどっち派かな〜と期待しながら読んでみるのも良いかと思います。

ただ、1つ言えるのは、「読みやすい」。

そのため、サクサクと読み進めることができます。

ホラー要素もある内容なので、そろりそろりと進めて行きたいのに、読みやすいためページが進んでしまう。。。このジレンマを感じれられるのも本書の魅力かなと。

レビューを書いていきます。

目次

道尾秀介「向日葵の咲かない夏」あらすじ

夏休みを迎える終業式の日。先生に頼まれ、欠席した親友の家を訪れた。きい、きい。妙な音が聞こえる。S君は首を吊って死んでいた。だがその衝撃もつかの間。彼の死体は忽然と消えてしまう。一週間後、S君はあるものに姿を変えて現れた。「僕は殺されたんだ」と訴えながら。僕は妹のミカと、彼の無念を晴らすため、事件を追いはじめた。あなたの目の前に広がる、もう一つの夏休み。


結構怖いですよね。。。でもドキドキしますよね。どんな夏休みになるのやら。

個人的オススメ度:9/10

先に言います。私にはハマりました!

ただし、ハマった側でもわかる。「これは賛否両論になるわ」。

大まかな流れは、主人公のミチオと妹のミカが、亡くなった一週間後にあるものに姿を変えて忽然と現れたS君と事件の真相解明に向かっていく。

というものなのですが、終始ドキドキしながら読んでいました。

途中、何回も「うへ〜」となるような展開もあるのですが、同時にゾクゾクしながら読み進めていく自分がいました。

この少しダークなところがハマってしまう所以なのかなと思えるほど、引き込まれてしまいました。

でもなんといっても、クライマックスは必見!

「えっ!?どういうこと??」一瞬思考停止してしまうかもしれません。

さすが道尾ワールドとも言える驚き。読んでいるうちに勝手に抱いてしまう先入観というか常識を取っ払われます。鳥肌ものです。

ここにハマると、道尾作品の虜になってくるかと思います!

どういう人にオススメ?

  • 小説でドキドキしたい人
  • これまでの小説って同じような感じだな〜と少し飽き気味な人
  • うわっ!騙された!と思いたい人(コンフィデンスマンJPとか好きな人なら好きかも?)

道尾作品の最初の1冊として読むとハマらなかった時に他の作品に手を出しにくくなるかもしれません。それほど衝撃的でした。

私はハマったので、次の作品、さらに次の作品と道尾作品ばかり読むことに。。。

読みどころ

全体的に読みやすい。速いテンポで進んでいく展開。全てが面白いです。

特筆するなら、やはり、クライマックスでしょう。

S君が死んでしまった理由。主人公ミチオについて、さらにミチオの家族について。

様々な真実が明かされていきます。

突如として訪れる真実。これがファンが多い理由にもなるのではないかと思います。

主人公が「ミチオ」というのも意味深ですしね。

自分のダークな部分でもイメージしながら書いたのだろうか?(だとしたらやばい)

心に残った(刺さった)名言

何かをずっと覚えておくということは大変なことだ。しかし、何かをわざと忘れることに比べると大したことはない。

これ、ぐっときます。誰にでも忘れたいことありますよね。

読んで行くと、ミチオの悲しさとともにこの言葉がしみてきます。

おわりに

今回は、道尾秀介さんの「向日葵の咲かない夏」について紹介しました。

とにかく非常に面白い作品でした。

あまり、ホラー要素のある小説は好きではない(ミステリーは好き)のですが、この小説は最も好きな小説の1つです。

とにかく、言葉では言い表せないくらい面白いです(賛否両論あるような癖のある小説)

是非読んでみてください!